日本では人手不足なので海外から人材を採用する企業が増えており、また、日本で働きたい外国人も増えてきております。
互いの需要はあるにも関わらず、依然として海外からの採用は進んでいないのが実態です。
外国人を採用する場合、採用ターゲットはどうしても日本在住者になり、海外在住者の採用も行っている企業はありますが、割合としてはかなり少ないです。
もちろん海外に住んでいても日本で働くことはできますのでご安心ください。
このレッスンでは、なぜ日本企業は海外在住者を採用しないのか、ついて詳しく解説します。
なぜ海外在住の応募は不可なのか?
日本企業が、海外在住の応募を受付けていない一番の理由は、ビザが取れるのか?本当に来日できるのかが不透明だからです。
面接を複数回行い、いざ内定を出しても様々な要因で来日することができなければ、人事担当者の時間やお金が無駄になります。
またCOE申請からVISA取得まで3か月程度はかかるため、企業からすると、「今すぐ人が欲しいのに3か月も待てない!」となって、採用計画がどんどん遅れてしまいます。
だから確実に採用できる、そしてすぐに入社できる日本人、もしくは日本在住の外国人をメインに採用しています。
その他の理由としては以下が挙げられます。
出国までの時間や、VISA申請の手続き方法が国によって異なるため
大学を卒業していないとVISAが取れないため
母国での現職や、家族の問題があり、外国で働くことが簡単ではないため
まだ日本の会社で働いたことが無く、日本企業に適応できるかわからないため
早期退職、早期帰国があるため
日本で働くにはこの2点を必ずクリアしていないとVISAが取れないのでご注意ください。
大学・大学院(短大)、もしくはそれ同等の学校を卒業していること
大学を卒業していなくても、日本で就く仕事の実務経験が10年以上あること
大卒であれば日本で働けますが、大卒ではない場合は、実務経験が10年になるまでは日本で働くことはできません。
VISA以外の問題もある
VISAの問題だけでなく、予定した入社日に間に合わないなどのトラブルもあり、入社スケジュールをすでに組んでいた企業からするとかなりの痛手になります。
入社日に間に合わない理由としては、
COE申請に時間がかかっている
悪天候で飛行機のスケジュールが変わった
家族の問題が出てきたなど、様々あります
企業はこれらの予想できない問題にも対策と対応する必要があるため、海外在住の採用は敬遠されがちです。
入社日に間に合わないと、そのポジションを他の誰かがカバーしたり、補填採用したりしますので、せっかく内定をもらったのに内定取り消しという最悪のケースも考えられますので、日本企業で働く前は、VISAが取れるのか、入社日の前には余裕をもって来日できるのかを事前に確認しておきましょう。
また、日本/海外在住に限らず、外国人を採用する際は、日本人を採用するときとルールが異なり、別途書類作成など業務が増え、人事担当者の負担になります。
その他の問題としては、まだ日本での就業経験がないため、ビジネスマナー研修をしたり、ビジネス日本語レッスンを受講したりする必要があるため、お金がかかるだけでなく、OJTが日本在住外国人よりも長く、現場に出るのが1か月ほど遅くなります。
以上が、海外在住外国人を採用する際の懸念材料になります。
結論、海外在住の外国人を採用する企業はまだ少ないですが、あります!
企業が採用したい人材になろう
これまで説明してきた、リスクやコストがかかっても採用したいと思える人材になりましょう。
企業は、このような人材を探しており、海外在住でも積極的に採用しています。
JLPT N2以上に合格している
実務経験5年以上の25歳から40歳までの中堅
母国語、英語、日本語など多言語を話せる
マネジメント経験もある
これらに該当するのであれば、積極的に応募してみましょう。
該当しなければ、まだ応募するのではなく、N2を取得したり、経験やスキルを磨きましょう。
なぜかと言うと、日本企業の応募受付は基本的に1回きりで、一度不合格になれば数年間は応募できない場合があるからです。
一度不合格になれば再応募できるまで3年~5年以上空けなければならない、もしくは二度と応募できない企業もあるため、慎重に応募しましょう。
また、応募するときは自分で応募してもいいのですが、転職エージェントを通して応募すると、これまでの経験を活かせる求人を紹介してもらえたり、時期尚早であれば、応募するタイミングとそれまでの対策などを詳しく教えてくれます。
レッスンのまとめ
このレッスンでは、海外在住からの応募について学びました。
基本的に海外からの応募は受け付けておらず、その理由は時間をかけて面接をして内定も出してもVISAが取れず来日できないリスクがある、また、入社が決まってもCOE申請に必要な書類作成や、OJTの手配などにかかるコストがあるからです。
ですが、それでも採用したいと思えるような人材になれば、企業はあなたを採用してくれます。
日本に来る前に、市場価値を可能な限り上げて、以下のような人材を目指しましょう。
JLPT N2以上に合格しましょう。
日本企業は外国人を採用する際は、JLPTを採用指針としているため、N2を持っておけばほとんどの企業で書類選考に通過でき、面接に進めます。
母国で5年以上経験を積んでスキルを磨きましょう。
海外からわざわざリスクとコストをかけて採用するだけの付加価値を持っておきましょう。
日本人でも日本在住の外国人でも持っていない特別な経験やスキルを身に付けましょう。
母国語、英語、日本語など多言語を話せるようになりましょう。
日本人は、日本語しか話せませんが、外国人なら様々な言語を話すことができます。
グローバルに活躍できることをアピールしましょう。
マネジメント経験も身に付けましょう。
現場での経験だけでなく、マネジメント経験もあれば、日本に住む外国人のマネジャーとして働くことができます。将来のPM候補として採用されることもあります。
これらの1つでも該当するのであれば、採用率も上がるのでまずはこの4つのスキルを身に付けることを目指していきましょう。
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