お疲れ様です!
「お疲れ様です」は非常に便利な日本語ですが、誰にでも使っていいわけではありません。
日本で働く外国人の方もよく使われる表現ですが、実は間違った使い方をしているケースも少なくありません。そこで今日は、「お疲れ様です」の正しい使い方を詳しく解説します。
The correct way to use “Otsukaresama desu”
簡単に言うと、「使う相手」を間違えているケースが多いのです。
私は日本で働きたいと考えている外国の方とお話しする機会が多いのですが、最初の面談(インタビュー)でいきなり「お疲れ様です」と言われることがよくあります。
文章の構成や文法として間違っているわけではありませんし、決して失礼な言葉でもないのですが、日本人は初対面の人に対して「お疲れ様です」とは言いません。
そもそも「お疲れ様です」は、基本的に同じ会社の人に対して使う言葉です。
オフィスですれ違った時に「お疲れ様です」と声をかけ合います。これは社長や部長、上司など、社内の誰に対しても使えます。
また、親しい友人に対してもよく使いますが、その場合は語尾を崩して「お疲れ様!」や「お疲れ!」と言ったりします。
「お疲れ様です」という言葉は、基本的に同じ会社の人に対して使うものであり、他社の人や取引先、顧客に対して使うのは避けるべきだという点にご注意ください。
他社の人や初対面の人に対して使っても決して「間違い」ではありませんし、通じないわけではありませんが、社外の人から「お疲れ様です」と言われると、少し違和感を覚える人が多いのも事実です。
そこで、他社の方への連絡や初めての営業電話といったビジネスシーン、さらには初対面の人と会うプライベートな場面など、状況に応じた適切な言い換えや使い方を解説します。
職場でのあいさつ
取引先や顧客への挨拶
「お世話になります」
「お世話になっております」を使います。
では、「お世話になります」と「お世話になっております」はどう使い分けるのでしょうか?
1. 「お世話になります」の使い方
「お世話になります」は、これから関係が始まる相手に対して使います。
- 初めて会うとき
- まだ面識のない相手への電話やメール
- まだ取引実績がない、または関係が築かれていない相手
2. 「お世話になっております」の使い方
「お世話になっております」は、すでに面識や継続的なやり取りがある相手に対して使います。
- すでに何度かやり取りをしている
- 継続して取引をしている顧客
日本人らしい使い分けの感覚
文法的にはどちらも正しく、丁寧な表現であることに変わりはありません。初対面の相手に「お世話になっております」と言っても、あるいは馴染みの顧客に「お世話になります」と言っても、決して間違いではありません。
しかし、私たち日本人はこれらを無意識に使い分けています。
- お世話になります: 「これからよろしくお願いします」という未来へのニュアンス
- お世話になっております: 「いつもありがとうございます」という現在進行形のニュアンス
プライベートでのあいさつ
仕事以外のプライベートな場面では、このような決まった定型句(セットフレーズ)は特にありません。
通常は
「初めまして」「こんにちは」を使います
プライベートな場面では、初対面の人に対して「お世話になります」や「お世話になっております」といった言葉を使うことはほとんどありません。
もしこうしたフレーズを使ってしまうと、「仕事中なのかな?」と思われたり、少し堅苦しい印象を与えてしまったりします。「お世話になっております」は、あくまでビジネスシーン特有の表現であると覚えておくと良いでしょう。
さて、「お疲れ様です」や「お世話になります」のほかにも、日本人がよく間違えて使ってしまう表現がもう一つあります。そちらについてもあわせてご紹介しますね。
よくある間違い:「〇〇しますか?」の落とし穴
相手に何かを頼む際、「〇〇しますか?」と言ってしまう人が多いのですが、実はこれは間違いです。
例えば、相手が自分に「何かを送ってほしい」と思っているとき、よく「送りますか?」と聞いてくることがあります。
実際のやり取りは、このようなイメージです。
また、応募先の企業に対して「自分を通して質問してほしい」という場面で、「聞きますか?」と言ってしまうのもよくある間違いです。
この場合も、相手に何かを依頼したいのであれば、「(私の代わりに)聞いていただけますか?」や「ご確認いただけますでしょうか?」といった表現を使うのが自然です。
「〜しますか?」だと、単に相手の予定を尋ねているように聞こえてしまうため、何かをお願いする場面では「〜していただけますか?」という形を使うよう意識しましょう。
意味は通じますが、文法的には正しくありません。 相手に何かをお願いするときは、「〇〇しますか?」ではなく、「〇〇していただけますか?」 や 「〇〇してもらえますか?」といった表現を使いましょう。
「○○してくれませんか?」
「○○していただけますか?」
意味は通じますが、文法的には正しくありません。 相手に何かをお願いするときに「〇〇しますか?」と言うのは避けましょう。
「〇〇しますか?」は相手への依頼やお願いではなく、単に「自分がそれをするかしないか」を確認するための単純な質問になってしまうからです。
先ほどの例文で言うと、
こう聞かれると、私(聞き手)は「いえ、特に頼まれていませんし、送る予定もありません」と答えることになってしまいます。
この場合、正しい言い方は以下のようになります。
このように伝えることで、自分が望んでいることを相手に「依頼」として届けることができます。
誰かに何かをお願いするときは、「〇〇していただけますか?」と言いましょう。
ちなみに、この「〇〇していただけますか?」という表現は、相手との関係性によって形が変わるため、日本語の中でも少し難しい部分ですね。
正しい使い方を学ぼう
部下や年下の人に何かをお願いするときは、次のように言います。
○○してくれない?
例えば以下のように使います
また、上司や年上の人に何かをお願いするときは、次のように言います。
○○していただけますか?
例えば以下のように使います
「〇〇してください」を使う時の注意点についてです。
「〇〇してください」は「〇〇してくれない?」を丁寧に言い換えた表現ですが、実は少し強い響きがあるため、先輩や上司、目上の人に対して使われることはあまりありません。
年下の人や部下から「〇〇してください」と言われると、まるで「命令」されているかのように聞こえてしまうことがあるからです。
では、いつ「〇〇してください」を使うのでしょうか。 それは、上司や部下といった上下関係に関わらず、業務上の指示として依頼する場合や、社内の全員に対して発言する場合です。
簡単に言えば、聞き手の中に上司も部下も混ざっているときです。 具体的には、社内の会議や部署の全員に送るメール、または全員にルールを周知する際などは「〜してください」を使っても問題ありません。
例えば、
これは、特定の個人に対してではなく、全員に向けたアナウンス(周知)をする際に使うことができます。
このように、相手が誰であるかによって適切な表現を選ぶ必要があります。使う前に、まずは自分が「誰に対して話しているのか」を確認するようにしましょう。

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