日本の面接ではある程度、聞かれる質問は決まっています。
どのような質問を聞かれるのかを事前に知っておくことで、面接対策ができて内定に一歩近づけます。
このレッスンでは、日本の面接で必ず聞かれるであろう質問をすべてお教えします。
初めて日本の会社の面接を受ける方や、将来日本で働きたい方はぜひ学んで面接に活かしてください。
必ず聞かれる基本質問
① 自己紹介
自己紹介では、あなたのお名前と出身、そして何年間、どんなお仕事をしていたのかを伝えます。
30秒から1分の間で短くまとめるとよいでしょう。
ここでは詳しい仕事内容は、伝える必要はありません。
なぜなら、後ほど仕事や経験についての質問を聞かれるので、そちらで詳しく答えましょう。
自己紹介では次のように伝えましょう。
日本に住んでいます、田中と申します。
これまで5年間、ソフトウェアエンジニアとしてアプリの開発をしてきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
② 仕事内容について
これまでの経歴や業務内容について詳しく伝えましょう。
1分から2分の間でわかりやすく伝えましょう。
仕事のことを伝えるときは、
どこで・何年間・どういうポジションで・どうしたのか、を簡潔に伝えましょう。
日本では、5年間、フルスタックエンジニアとして、ウェブアプリの開発をしております。
フロントエンドでは、Javascript、HTML、CSSを、バックエンドでは、Javaを使って開発をしました。
コーディングの他にもワイヤーフレームやデータベースの設計などのお仕事も担当しております。
③ 来日理由
なぜ海外で、そしてなぜ日本で働くのかの理由を聞かれます。
ここで面接官が確認したいことは、自分の国にすぐに帰らずに、日本で長く働いてくれるのか、です。
自分の国ではなく、そして他の国ではなく、なぜ日本なのかを伝えましょう。
日本で働きたい理由の良い例と悪い例をお伝えしますので、これらのトピックから理由を作ります。
これらの理由を伝えましょう。
日本の技術を学びたい / 日本の文化が好き / 日本の文学や芸術に興味があるから
これらの理由は伝えないようにしましょう。
アニメやマンガが好きだから / 富士山が好きだから / 日本のご飯が好きだから
ITエンジニア向けの、日本で働きたい理由の例です。
ITテクノロジーやAIについて学びたいから、日本で働きたいです。
日本は私の国と比べてテクノロジーのレベルが高く、また、様々なプログラミング言語を使った開発ができるからです。
また、これまで勉強してきた日本語を活かしたいので、日本で働きたいです。
④ これまでの会社での入社理由と退職理由
これまでの会社に入社した理由と、会社を辞めた理由を簡単に答えます。
すべての会社の入社理由と退職理由を聞かれることは少なく、前職の入社理由と退職理由を聞かれることが多いです。
念のためすべての会社での入社と退職の理由を考えておきましょう。
退職理由では、スキルアップしたいなど、ポジティブな理由を伝えます。
仕事が合わない、残業が多い、などのネガティブな理由や悪口を言わないように気を付けてください。
ネガティブな理由を伝えてしまうと、面接官に
「会社に入っても残業が多くなってきたらまた転職してしまうのでは?」という風に思われてしまいます。
1社目の入社理由は、大学で学んだことを活かせると思い入社しました。
その後、新卒で5年間働きましたが、新しい環境で新しいプログラミング言語を使って開発をしてみたいと思い、退職しました。
2社目の入社理由は、この会社は私が興味があったTypescriptを使って開発しているからです。
その後4年間働きましたが、開発だけでなくマネジメントにも挑戦したいと思い、退職しました。
現在の会社へ入社した理由は、PMとしてマネジメントと開発の両方ができるからです。
⑤ 転職理由
なぜ今の会社を辞めて、新しい会社に入社したいのかを短く、わかりやすく伝えましょう。
転職理由は1分程度にまとめて、長すぎないように気を付けてください。
ここでも、残業が多いなどのネガティブな理由ではなく、スキルアップしたいなどのポジティブな理由を伝えることによって、あなたの印象は良くなります。
リーダーの経験を活かしたいと思い、転職を希望しております。
現職では、3名からなる開発チームのリーダーとして、開発だけでなく、マネジメントの仕事もしております。
マネジメント経験も5年ありますので、今より大きいプロジェクトでマネジメントに挑戦したいと思い、転職をしたいと考えております。
⑥ 志望動機
ここでは、なぜ他の会社ではなく、この会社を選んだのか?その理由を伝えましょう。
志望動機を作る際は、会社のホームページを見て作ることをおすすめします。
志望動機を作る際は以下の3点を参考にしてください。
応募する会社の強みは何か?
応募する会社に入社したら何ができるのか?
応募する会社に入社したら、どういうお仕事をしてどういうふうに会社を良くするのか?
この3つを含めた志望動機はこのようになります。
御社では様々なアプリを開発しており、好きな開発ができるので御社を志望しました。
御社ではウェブアプリだけでなく、モバイルアプリやデスクトップアプリの開発もやられており、エンジニアが開発したいアプリを決められたり、好きなプロジェクトに入れるとウェブサイトに書いてありました。
エンジニアに主導権を与えていただけるのがとても魅力的です。
これまで経験のあるウェブアプリの開発だけでなく、御社に入社できたらiOSアプリを開発してみたいと考えております。
⑦ キャリアプラン
入社したらどういうお仕事をして、どう会社をよくしたいかなど、入社後の貢献度を確認する質問です。
入社後、どんな風に働いているのかのイメージを持っていると、入社意欲が高いとみなされます。
日本では、チームリーダーとして上流工程からプロジェクトに参画したいです。
現在はサブリーダーとして、リーダーのサポート業務を行っております。
リーダーの下で3年間、マネジメントについて学ぶことができたので、日本に来たらここで学んだことを活かしてマネジメントにも挑戦したいと考えております。
必ず聞かれる条件面での質問
⑥ 年収について
海外から日本の会社で働く場合、ウェブアプリ開発者を例に見ていきます。
初めて日本の会社で働く人の年収レンジ:350万~800万
※日本語レベルや経験年数、スキルによって大きく変わります。
初めて日本で働く方は、日本円のことや給料のことをよくわからず、800万以上など比較的高い年収を伝える方も少なくありません。
また、今もらっている年収と同じくらいを希望する方も一定数いますが、そもそも国が違うので今の年収をそのまま日本でも稼ぐことは、あまり現実的ではありません。
初めて日本で働く場合、非現実的な年収を希望すると、条件の不一致で不採用になりますので、希望年収を伝える際は慎重に答えましょう
年収は550万以上を希望致します。
現職での年収は、日本円で約700万ですが、国が違うので御社の規定に従います。
ですが600万~700万であれば大変ありがたいです。
⑦ 勤務地について
初めて日本で働く方は、あまりイメージがわきにくいかと思いますが、外国人も多く住んでいる県で働くことをおすすめします。
たとえば、東京(関東地方)、大阪(関西地方)などです。
ここでは、初めて日本で働く方向けの答え方と、旅行などで来日した経験がある方の答え方をお伝えします。
初めて日本で働く方
どこでも大丈夫です。
来日経験がある方
希望の勤務地は東京です。一度旅行で東京に来たことがありますし、知り合いも多くいるので私も安心して働けると思います。
⑧ 入社時期について
入社時期については、会社によってNotice periodは異なり、来日準備なども必要なので、内定後3か月後が一般的です。
来日するまで、COEを取得したり、VISAを申請する必要があり、VISA取得までに3か月程度かかるため、入社時期が内定から半年以内であれば問題ありません。
ただ、会社によって欠員のため、すぐに人が欲しい場合は、早めに入社できる人を優先的に採用するケースもあります。
なので、次のように伝えましょう。
内定後、3か月後に入社できます。
現職のNotice periodは3か月ですが、会社に相談して早めてもらう予定です。
内定をいただきましたらすぐにCOE申請に取り掛かり、一日でも早く御社に入社したいです。
練習はたくさんしましょう
面接では、これらの質問を深掘りして聞いてきますので、これまでどういう仕事をしてきたのか、なぜ転職したいのか、などの自分自身の研究を行ってください。
研究をすることで、前職では会社にどう貢献できたのか、どういうプロジェクトに参画してきたのか、などアピールポイントがどんどん湧いてきて、面接のストーリーを作ることができます。
面接に合格するたった一つの方法は、何度も何度も面接の練習をすることです。
たくさん練習すればするほど内定率も高まりますので、面接の前には最低でも10回以上は練習をしておきましょう。
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