母国から日本にある外資系企業へ企業内転勤、もしくは日本へ赴任して働く外国人が増えています。
企業内転勤や赴任の場合、数年後は母国に帰らないといけない。だけどこのまま日本で働き続けたいと思う方が、日本企業へ転職するため、最近では国籍不問の求人も増えております。
日本企業で働くために転職活動を積極的にしている人がいますが、残念ながら外資系企業から日本企業への転職は非常に難しいのが現状です。
応募者本人の経験やスキルが高く、JLPT N2同等の日本語レベルを持っていても、日本企業は採用しません。
採用しないというか、採用できないというのが本音です。
このレッスンでは、なぜ外資系企業から日本企業への転職が難しいのか、について詳しく学んでいきます。
外資系から日本企業への転職はなぜ難しいのか?
結論から言うと、日本企業に転職できても給料などの条件が合わないからです。
企業が内定を出しても、条件に納得できずに応募者が辞退するケースが多く見受けられます。
そもそも、外資系企業と日本企業では給料の相場が違うので、外国人を採用したい日本企業が、今の給料を出すことは難しいです。
その理由には2つの大きな要因があります。
① 海外と日本では物価が異なる
例えば、アメリカなどの北米では、日本と比べて2倍の給料をもらっています。
なぜなら物価もアメリカの方が日本よりも2倍高いからです。
日本ではラーメンは700円程度ですが、アメリカでは4,000円とかなり高いです。
物価が高いなら、もらう給料も高くないと生活することができません。
現職でもらっている給料は、アメリカで生活するための給料であって、現職と同じ給料を日本で望んでも、物価が異なるため、日本企業では日本の物価に合わせた給料を提示します。
なので、結果として内定が出ても、給料が少なく感じて辞退します。
② 母国の企業と日本の企業の両方から給料をもらっている
日本へ赴任した場合、母国の企業からと赴任先企業の両方から給料をもらいます。
ですが、日本企業へ転職すると、当たり前ですが日本企業からしか給料をもらうことはできません。
希望年収で現職と赴任先の給料を提示しても、その金額は応募者の本来の市場価値(経験やスキル)ではなく、市場価値+赴任先からの給料なので、日本企業も応募者に対して、市場価値に見合う給料を提示します。
なので、こちらも給料が少なく感じて辞退します。
以上2つの要因があるため、給料などの条件面での折り合いがつかず、仕方なく辞退している人が多いのが現状です。
それぞれの給料の相場を比較すると以下のようになります。
外資系の平均年収 500万円以上 (月収45万円以上)
日本企業の平均年収 430万円 (月収30万円)
※経験年数3~5年の場合
日本の平均年収は470万円と言われており、実は年収500万円をもらう日本人はそれほど多くありません。
日本企業の新卒の給料は23万円程度(年収350万円~)なので、外資系から日本企業に転職するのであれば、ある程度の年収ダウンは覚悟が必要になります。
現職の年収から下げたくなければ、他の外資系企業に転職したり、現職に留まる、または母国に帰るしかありません。
日本企業で高い年収をもらうには?
日本では、年功序列制度が存在します。
入社後1年目は、そこまで高い年収は期待できませんが、その会社で5年以上と長く働けば働くにつれて給料も上がっていきます。
最近では年功序列制度を廃止して、スキルが高く仕事で成果を出す人には高い給料を払う企業も増えてきました。
なので、一生懸命働いて会社の売上に貢献することで年収は上がっていきます。
転職時に年収を上げるのではなく、入社後に結果を出して年収を上げていくという考え方を持ちましょう。高い給料が欲しいのであれば、売上を上げるしかないのです。
さらに、日本の会社はボーナスがあります。
会社の業績に合わせてボーナスも支給されるため、売上が高い大企業に転職できれば、月収の4か月分のボーナスを年に2回もらえます。
以上をまとめると、日本の会社で年収を上げるには、この3つの方法があります。
1つの会社で5年以上と長く勤める
一生懸命働いて、会社の売上に貢献する
売上が大きい大企業へ転職してボーナスをもらう
また日本企業は簡単に解雇ができないので、明日仕事を失うこともなく、福利厚生も充実しているので、長期的に見ても安心して働けるのがメリットでもあります。
それでも日本企業で高い年収を望むのであれば、面接の際、希望年収にたいする対価として、どのくらい会社に貢献できるのか、私を採用すると会社にどうプラスになるのかをきちんと伝えましょう。
レッスンのまとめ
企業内転勤や日本に赴任して働く外国人が、これからも日本で働き続けたいのであれば、一時的に年収を下げてでも日本企業に転職することをおすすめします。
日本企業で一生懸命働き、結果を出し続ければ給料はどんどん上がっていきますよ。
それに、日本企業で高い給料をもらう外国人も一定数います。
ただ、それだけ高い給料をもらうのであれば、仕事が激務で残業もかなり多く、プライベートを犠牲にするなど、年収と何かをトレードオフする覚悟が必要です。
残念ながら楽して稼げる仕事は日本にはありません。
高い年収を望むのであれば、その対価と根拠をきちんと伝えましょう。
面接の際、あなたが入社することで、会社の売上が上がったり、会社への貢献度が高いことを面接官がイメージできたら、日本企業に転職しても年収アップが期待できます。
ただ、どうしても金銭的な問題があり、転職できないのであれば、日本にある別の外資系企業に転職しましょう。
JLPTの問題を解く