リスニングをきく
転職する目的は、キャリアアップのため、やりたい仕事に就くためなど、理由は様々ですが、転職で一番叶えたいことは、年収アップです。
実は、転職しても年収はさほど上がりません。
転職くらいで年収が上がるのであれば、多くの人が次々に転職をして、日本から低所得者がいなくなっているはずです。
日本人の平均年収は460万で、転職しても簡単に年収が上がらないのは、その数字が物語っています。
このレッスンでは、なぜ年収が上がらないのか、そして年収のあげ方について学びます。
転職しても年収は上がらない
前述した通り、転職したくらいでは年収は上がりません。
転職したら年収はどのくらい上がるのか、相場は以下の通りです。
現職での年収から105~150%
現職の年収が400万だとしたら、転職後の年収は430万になります。
あとは、どの企業に転職するのか、そしてその人の能力やスキルによっても大きく左右します。
大企業に転職する際、もしくはヘッドハンティングや部長などの役職ポジションに転職する場合は、年収はもっと上がります。
未経験業種や、現職とは全く違う業界に転職する際は、多少年収が下がってしまうケースもあります。
どうして転職しても年収が上がらないのか?
それは、現職での年収は、会社で積み上げてきたキャリアや信頼、そして貢献度をお金で表した数字であって、その経験値が新しい会社でも通用するとは限らないからです。
新しい会社に入社すると、仕事の進め方やルールが変わり、上司や先輩、クライアントとの関係をゼロから構築する必要があります。
いくら候補者に経験があり、スキルも高いからと言っても、現職以上の年収を提示して、本当に前職以上のパフォーマンスを発揮してくれるのか、そして貢献してくれるのかが見えません。
そもそも2,3回の面接で、応募者の貢献度は把握することは非常に難しく、転職先も前職より大幅アップの年収提示ができません。
どういう人が転職後に年収が上がるのか?
転職時に年収が上がる人は、この2つに当てはまっていることがあります。故に、この2つに当てはまる何かがあれば、転職後の年収アップが期待できます。
① 誰も持っていない経験やスキルを持っている
普通の人ではなかなか体験できないことを経験している人は、年収が上がる傾向にあります。
例えば、社長として会社を創業し、売り上げをたくさん上げて、事業を軌道に乗せた経験や、前職で、新規事業を立ち上げて、事業をある程度収益化させてきた経験などがあれば、即戦力としてみなされるため、会社から見ても、欲しい人材となります。
売上を作ってくれる逸材であれば、会社は将来的にはプラスになることもわかっているため、多少多くの年収を出してでも採用します。
② 素晴らしい実績が複数あり、市場価値が高い
例えば、営業職の場合、常に成績トップで毎月かなりの利益をもたらす逸材、またはマネジャーとしてチームを育て上げ、数字を作る即戦力人材育成がうまい人など、プレイヤーとしてだけではなく、管理職でも該当します。
要は売上や、生産効率、採用率などの数字を作れる人は、どの会社に行っても重宝されて、転職後の年収が上がることが予想されます。
転職で年収が上がらない理由
我々日本人は、そもそも転職して年収を上げようとは考えておりません。
なぜなら、年収は転職してあげるものではなく、新しい会社で即戦力として活躍して、優れた結果を出してあげるものだと考えているからです。
どうして年収が上がらないのか、理由を説明するよりも、面接官の立場に立って考えてみるとその理由が見えてきます。
あなたは人事担当で、会社に利益をもたらす人を採用することがあなたの仕事だとします。
まず、人材を1人採用するだけでも、10万~100万のお金がかかります。
そこに、あなたの母国語がネイティブではない外国人が面接に来ました。
外国人なので、そもそも意思疎通が満足にできません。
質問の聞き方を変えたり、簡単な単語を使ってゆっくり話しましたが、応募者はこれまでどんな経験をしてきたのか、どんなスキルを持っていて、それらをどう会社に貢献してくれるのかが、いまいちわかりませんでした。
募集しているポジションに今回の応募者の経験やスキルがマッチしているか、完璧にはわかりませんでしたが、その応募者を採用するとします。
あなたは、その外国人に高い年収を提示ますか?
年収は現状維持で、最初は様子を見たくありませんか?
入社後、思っていたパフォーマンスを発揮してもらえなかったらどうしますか?
入社しても1年未満で辞めたらどうしますか?
人材を1人を採用するだけでも莫大なコストがかかりますが、もし採用した人材が想定外だったとしたらどうしますか?
このように、面接官の立場に立って考えればわかることですが、転職してもそこまで年収が上がらない理由は、少ない期間で応募者を見極めることは物理的にできないためです。
転職後、採用した人が活躍するかどうがは予想できないので、大幅な年収アップは期待できませんが、入社してから一生懸命働き、結果を出せば、その後はどんどん年収は上がっていきます。
レッスンのまとめ
日本在住の外国人の転職時、現職よりも100万アップを希望するケースが多いですが、正直に言うとまずもって無理です。
面接では希望年収を聞かれますが、年収100万円アップと答えてしまうと不採用になりますので注意が必要です。
現実的な話、転職後の年収100万アップは難しいですが、100万アップの理由と根拠を合理的に伝えることができれば、検討の余地はあります。
これまでの経験とスキルはどう会社に貢献できるのか?そして採用されたらどう会社の利益が上がっていくのか?
その根拠は何なのかを具体的に答えることができたら、大幅な年収アップは期待できます。
ただ高い年収を伝えても相手には一切伝わらないどころか、逆に印象が悪くなるので、このレッスンを機に、自分の市場価値と、どう貢献できるかを論理的に伝えることで、自分で年収交渉をしましょう。
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